爆発変光星
恒星の外層で激しい爆発やフレアが発生すると、星のまわりを取り巻く星雲に変化が起こります。これによって星からの光がさえぎられ、星の明るさが変化したように見えるわけです。また、星の彩層やコロナの爆発によって明るくなるものもあり、このような星の表面や周囲の変化によって変光する星を爆発変光星といいます。
このタイプは規則性が見られず、いつ変光するか分かりません。
ポイントは、星自体が変光するのではなく、星のまわりの変化によって変光して見えるということです。

爆発変光星は、その変光のメカニズムや光度曲線の違いにより、かんむり座R型(RCB)、くじら座UV型(UV)に細分類されます。


かんむり座R型(RCB)
かんむり座R星に代表されるこの型の星は、普段は明るい光度を保っていますが、数年から数十年に一度、突然暗くなり、それからゆっくりと元の光度に戻ります。その変光は突発的に起こり、予測がつきません。この変光は、その星の大気に原因があると考えられています。

星の成分の多くは大抵、水素であることは知られていますが、この型の星の場合、水素が他の星に比べて数千分の一しかなく、その代わりに炭素が数十倍あります。この炭素が星の表面の温度が低いほうに行くと、炭素が気体からすすに変わり、それが光を遮るために変光が起こると考えられています。

□ 代表的な星
名称 変光範囲 周期 星図
R CrB かんむり座R星 5.71-14.8V - RCB AAVSO
RY Sgr いて座RY星 5.8-14.0V - RCB AAVSO
SU Tau おうし座SU星 9.1-16.86V - RCB AAVSO

□ 代表的な光度曲線(出典:VSNET)


くじら座UV型(UV)
普段は非常に暗いですが、ときどき急激に増光するという変光を示します。この変光の原因は、星の表面で起こるフレアにあると考えられています。
この型の変光星は、比較的若い星が多く、また自転速度も速いため、星の表面の活動が非常に活発です。そのため、フレアが起こり、急激な増光を示すというわけです。

統計的には、0.5等程度の増光を示すフレアは数時間に1回、1〜2等程度の増光を示すフレアは数日に1回起こります。また、非常に稀ですが、ときに5〜6等の増光を示す大きなフレアが起こることもあります。

□ 代表的な星
名称 変光範囲 周期 星図
UV Cet くじら座UV星 6.8-12.95V - UV AAVSO
YZ CMi こいぬ座YZ星 8.6-12.93B 2.780964日 BY+UV AAVSO
AD Leo しし座AD星 8.07-11.00B - UV AAVSO


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