激変変光星
激変変光星は突発的に増光することから爆発変光星と似ていますが、変光のメカニズムは全く異なります。特徴は、白色矮星(恒星の一種で、太陽程度の質量で地球程度の大きさの星)と赤色星が回りあっている近接連星系であることです。

この連星系の中で、赤色星の外層部分のガスは白色矮星に流れ込み、円盤状になります。これを降着円盤といいますが、降着円盤から白色矮星に降り積もったガスはやがて核融合反応を始めます。この核融合反応によって爆発的な増光が起こるのです。

突然、明るく輝きだす新星や超新星も、この型の変光星に含まれます。

激変変光星は、その変光のメカニズムや光度曲線の違いにより、ふたご座U型(UG)、新星(N)、超新星(SN)に細分類されます。


ふたご座U型(UG)
矮新星とも呼ばれ、その名の通り、10〜3000日くらいの間隔で急激に増光(アウトバースト)し、またすぐに減光するという現象を繰り返すのが特徴です。小規模な新星に似た光度変化を示し、その増光の様子から、新星の出現を想像させます。
この型は、増光の仕方によって、UGSS型(はくちょう座SS型)とUGSU(おおぐま座SU型)型に細分類されます。

□ 代表的な星
名称 変光範囲 周期 星図
SS Cyg はくちょう座SS星 7.7-12.4V (49.5)日 UGSS AAVSO
U Gem ふたご座U星 8.2-14.9V (105.2)日 UGSS AAVSO
WZ Sge や座WZ星 7.0-15.53B (11900)日 UGSU+E+ZZ AAVSO
SU UMa おおぐま座SU星 10.8-14.96V (19)日 UGSU AAVSO

□ 代表的な光度曲線(出典:VSNET)


新星(N)
新星は、だいたい10等以上の変光範囲を持ち、急激に増光した後、暗くなっていきます。この変光は、降着円盤のガスが白色矮星に流れ込み、核融合反応が起こることによって、星の外層部分が吹き飛ばされるために起こります。
新星は、以前は星の無い空間に新しい星が誕生したものだと考えられていましたが、恒星の研究が進むにつれて、この考えは誤りであることが分かり、現在では星の進化の一段階であると考えられています。

□ 代表的な星
名称 変光範囲 周期 星図
V1494 Aql わし座V1494星 5.03-16V - N AAVSO
V4743 Sgr いて座V4743星 5.0-16.8V - NA AAVSO
V382 Vel ほ座V382星 2.66-16.4V - NA AAVSO

□ 代表的な光度曲線(出典:VSNET)


超新星(SN)
星の破壊的爆発で、宇宙で最も壮観で印象的な現象のひとつです。ごく短期間の間に20等近く増光し、その後次第に減光していきます。数百年に1回程度起こるといわれ、銀河系内では、1054年の爆発によっておうし座のかに星雲を作った超新星や、1604年のケプラー新星が有名です。


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