地球から見て、明るい方の星(主星)が暗い方の星(伴星)を隠すときを副極小(第二極小)と呼び、全体としての光度はやや暗くなります。逆に、暗い方の星(伴星)が明るい方の星(主星)を隠すときを主極小(第一極小)と呼び、全体としての光度は最も暗くなります。
大事なことは、1つの星とみなして観測していても、実際には2つの星であるということです。
食変光星の周期は短いものが多く、中には数時間で変光するものもあります。
食変光星は、その変光のメカニズムや光度曲線の違いにより、アルゴル型(EA)、こと座β型(EB)、おおぐま座W型(EW)に細分類されます。
□ 代表的な星
名称 | 変光範囲 | 周期 | 型 | 星図 | |
RZ Cas | カシオペア座RZ星 | 6.18-7.72V | 1.195247日 | EA/SD | AAVSO |
AI Dra | りゅう座AI星 | 7.05-8.09V | 1.1988146日 | EA/SD | AAVSO |
δ Lib | てんびん座δ星 | 4.91-5.90V | 2.3273543日 | EA/SD | AAVSO |
β Per | ペルセウス座β星 | 2.12-3.39V | 2.8673043日 | EA/SD | AAVSO |
□ 代表的な光度曲線(出典:VSNET)
名称 | 変光範囲 | 周期 | 型 | 星図 | |
β Lyr | こと座β星 | 3.25-4.36V | 12.913834日 | EB | - |
V1010 Oph | へびつかい座V1010星 | 6.1-7.0V | 0.66142613日 | EB/KE | - |
□ 代表的な光度曲線(出典:VSNET)
名称 | 変光範囲 | 周期 | 型 | 星図 | |
i Boo | うしかい座i星 | 5.8-6.40V | 0.2678159日 | EW/KW | - |
W UMa | おおぐま座W星 | 7.75-8.48V | 0.33363749日 | EW/KW | AAVSO |
□ 代表的な光度曲線(出典:VSNET)
O-Cを求めることは、眼視観測でも十分可能なため、アマチュア変光星観測者にとって重要な研究分野といえるでしょう。また、数時間の観測で立派な光度曲線が描けることや、星の変光する様子を簡単に体験できることも極小観測の魅力です。
なお、食変光星については、永井和男さんのホームページで詳しく紹介されているので参照してください。→こちら
O-Cの値はユリウス日(JD)で表します。ユリウス日とは、紀元前4713年1月1日世界時正午を基点とした通日のことで、主に天体の軌道計算や変光星の観測に用いられます。
明治大学天文部変光星班では、主にRZ-Cas(カシオペア座RZ星)とβ-Per(ぺルセウス座ベータ星、アルゴル)を観測しています。これまでの観測結果は、 変光星観測データを参照してください。